国産基盤モデル(国産LLM)

GPUを買わずに、大きいモデルを動かす — クラウドGPUという選択肢(仕組みと手順の解説へ)

国産基盤モデル(国産LLM)は、日本の企業・大学・研究機関が開発した基盤モデルの総称です。ただ「国産」と一括りにすると見誤ります。①ゼロから学習したか、海外モデルの継続学習②重みが公開されているか(=ローカルで動かせるか)——この2軸で整理すると、急に見通しが良くなります。

軸① — フルスクラッチか、継続学習か

系統代表例性格
フルスクラッチ
(ゼロから学習)
Sarashina(SB Intuitions)、PLaMo(Preferred Networks)、LLM-jp(国立情報学研究所)トークナイザ設計から日本語に最適化できる。学習コストは桁違いに大きい
継続学習・FT
(海外モデルが土台)
Swallow(Llama/Qwen/gpt-ossベース)、Shisa、Rakuten、ABEJA強い土台の能力を保ったまま日本語を底上げする。土台の世代交代に追随しやすい

どちらが優れているかは一概に言えません。継続学習組は英語や推論の地力で土台に助けられ、フルスクラッチ組は日本語の効率(同じ文を少ないトークンで処理できるか)や透明性で強みを持ちます。当サイトはどちらも同じ japanese タグで収録し、判定式も区別しません——手元で動くかどうかに国籍は関係ないからです。

軸② — 開放重みか、閉重みか

「国産LLM」のニュースには2種類が混ざっています。重みが公開されているモデル(Swallow・PLaMo・Sarashina・KARAKURI・Shisa・Rakutenなど)はダウンロードしてローカルで動かせますが、閉重みのモデル——NTTのtsuzumi、NECのcotomi、富士通のTakane——はAPI契約や専用環境での提供で、ローカルLLMとしては使えません。調達要件や記事で「国産LLM」を検討するときは、まずここを確認してください。当サイトの判定対象になるのは前者だけです。

GENIAC — 政策の後押し

経済産業省・NEDOによる生成AI開発力強化事業(GENIAC)が、計算資源の提供支援などで国内の基盤モデル開発を後押ししており、上に挙げた開発元の多くが参画・採択の実績を持ちます。国産モデルの新作が特定の時期にまとまって出てくる背景には、こうした事業サイクルがあると考えられます。

当サイトの収録と、日本語ならではの見方

当サイトはSarashina 2.2 3B・Llama 3.1 Swallow 8B・Qwen3 Swallow 32Bに加え、GPT-OSS-Swallow 20B・PLaMo 2 1B・Ornith 1.0 35B・Medical-GPT-OSS-Swallow 120B(国産では希少な医療特化)を収録しています(2026-07-31時点)。日本語性能の物差しは英語ベンチでは見えないため、評価はNejumiのような日本語ベンチマークを参照してください。また量子化の段階でも日本語は特別扱いできます——日本語テキストで校正したimatrixを使うIQ量子化の配布(GIPUのUD Japanese iMatrixシリーズ)が存在します。

関連用語

参考資料(出典)

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