GDDR・HBM・LPDDR(GPUメモリの種類)

GPUを買わずに、大きいモデルを動かす — クラウドGPUという選択肢(仕組みと手順の解説へ)

GPUに載っているメモリには大きくGDDR・HBM・LPDDRの3系統があります。どれも「LLMの重みを置いて高速に読み出す」役割は同じですが、速さ・容量・省電力のどれを優先するかで設計が分かれており、メモリ帯域の桁の違いはほぼこの選択で決まります。

GDDR — ゲーミングGPUの標準(速さ優先)

GeForceやRadeonなど単体GPUが積むのはGDDR(Graphics DDR)です。GPUチップの周囲に高クロックのメモリチップを並べて配線する構成で、数百GB/sの帯域を比較的安価に実現します。世代はGDDR5→GDDR6→GDDR7と進み、世代が上がるごとに1ピンあたりの転送速度が向上してきました(現行のRTX 50シリーズはGDDR7採用です)。ローカルLLM的には「コンシューマ価格で高帯域」を支える立役者です。

豆知識: GDDR6Xや GDDR7 は、1回の信号で複数ビットを送る多値変調(PAM)を使って速度を稼いでいます。同じ「GDDR6」でも無印とXでは方式が異なる、という細かい違いもあります。

HBM — データセンター級(帯域の極限)

HBM(High Bandwidth Memory)は、メモリチップを縦に積層してGPUの真横に密結合する方式です。配線を桁違いに太くできるため帯域は数TB/sに達しますが、製造コストが高く、主にデータセンター向けGPU(NVIDIA H100/B200、AMD Instinctなど)に使われます。クラウドGPUで70B級がすんなり動く背景には、このHBMの帯域があります。コンシューマGPUにほぼ載らないのは価格のためで、「帯域はお金で買う」世界の最上段です。

LPDDR — Appleシリコン・スマホ(省電力優先)

LPDDR(Low Power DDR)は省電力を最優先した規格で、スマホと、ユニファイドメモリのAppleシリコンが採用しています。GDDRより帯域は控えめですが、CPUと共有する大容量構成にしやすく、消費電力が小さいのが持ち味です。「MacはVRAM 24GB相当をファンレスで積める」のはLPDDRとユニファイドメモリ設計の組み合わせによるものです(帯域と電力の関係はTDPの項も参照)。

なぜVRAMは後から増設できないのか

メインメモリ(RAM)と違い、GDDRもLPDDRも基板に直接はんだ付けされています。信号速度が極めて高いため、ソケット(差し替え式)にすると配線が長くなって成立しないのです。つまりVRAM容量は購入時に決まったら変えられません — 「あとで足せばいい」ができないからこそ、当サイトのような事前判定に意味があります。

ローカルLLM観点のまとめ

種類主な搭載先特徴
GDDRGeForce / Radeon / Arcコンシューマ価格で高帯域。容量は8〜32GB級
HBMデータセンターGPU(クラウド)帯域の極限。高価で個人購入は非現実的
LPDDRAppleシリコン / スマホ省電力・大容量にしやすい。帯域は控えめ

実際の帯域の数字はメモリ帯域の項の比較表と、各GPUページのスペック欄で確認できます。

関連用語

参考資料(出典)

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