GPUアーキテクチャ世代(Ampere・Blackwellなど)
GPUの「世代」(アーキテクチャ)は、チップの基本設計のことです。自動車のフルモデルチェンジのように数年おきに刷新され、NVIDIAは科学者の名前(Pascal、Turing、Ampere…)を冠する伝統があります。当サイトのGPUページの「〜とは」に出てくるAmpere世代・Blackwell世代などの呼び名がこれです。
NVIDIAの系譜 — 科学者の名前で刻む
- Pascal世代(2016年・GTX 10シリーズ) — 「名作」と語り継がれる長寿世代。ただしAI推論の専用回路はまだありません。
- Turing世代(2018年・RTX 20シリーズ。廉価版のGTX 16シリーズは2019年) — Tensorコア(AI演算回路)とレイトレーシングを初搭載した転換点。当時は使い道が疑問視されたAI機能が、いまのローカルLLMブームの伏線になりました。
- Ampere世代(2020年・RTX 30シリーズ) — マイニングブーム直撃で「定価で買えないGPU」に。中古市場に大量流通した現在はローカルAI入門の定番調達先です。
- Ada Lovelace世代(2022年・RTX 40シリーズ) — 世界初のプログラマー、エイダ・ラブレスに由来。電力効率が大きく改善しました。
- Blackwell世代(2025年・RTX 50シリーズ) — AI需要の絶頂期に投入された現行世代。GDDR7で帯域が伸びました。
AMD・Intel・Appleの系譜
- AMD RDNA — RDNA 2(2020年・RX 6000、PS5/Xbox Series Xと同源流)→ RDNA 3(2022年・RX 7000、チップレット設計初採用)→ RDNA 4(2025年・RX 9000)。
- Intel Arc — Alchemist世代(2022年・Arc A)で単体GPU再参入、Battlemage世代(2024年・Arc B)が続きます。コードネームがA→Bとアルファベット順に進むのが特徴です。
- Appleシリコン — M1(2020年)からM4まで、CPU・GPU・メモリを1パッケージに統合した設計で世代を重ねています(ユニファイドメモリ参照)。
世代の違いはローカルLLMにどう効くか
世代が新しいほど有利になる要素は主に3つです:
- AI演算回路の有無と世代 — Turing以降のTensorコアは世代ごとに対応精度(FP16→BF16→FP8など)が広がり、推論ソフトの最適化も新しい世代を優先しがちです。Pascal以前やGTX 16シリーズはこの回路自体がありません。
- メモリの世代 — 世代更新はGDDRの世代更新を伴うことが多く、メモリ帯域=生成速度が底上げされます。
- 電力効率 — 同じ性能をより低いTDPで出せるようになります。
ただし、ローカルLLMの「動くかどうか」は世代よりVRAM容量でほぼ決まります。旧世代でも容量が大きい方が大きなモデルを動かせる(例: 11GBのGTX 1080 Tiは8GBのRTX 3070より大きいモデルが載る)のは、中古GPU選びで覚えておく価値のある逆転現象です。各世代の帯域・VRAM・判定は各GPUページで確認できます。
関連用語
- メモリ帯域(メモリバンド幅) — メモリを毎秒何GB読み書きできるか。ローカルLLMの生成速度を事実上決めるスペック
- GDDR・HBM・LPDDR(GPUメモリの種類) — GPUに載るメモリの3系統。速さ・容量・省電力のどれを取るかで住み分けが決まる
- VRAM(ビデオメモリ) — GPUに載っている専用メモリ。ローカルLLMで動くモデルの大きさを決める最重要スペック
- TDP(熱設計電力) — GPUの発熱・電力の設計枠。LLM推論の実消費との関係と電源選びの読み方
参考資料(出典)
- https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Nvidia_graphics_processing_units
- https://en.wikipedia.org/wiki/RDNA_(microarchitecture)
- https://en.wikipedia.org/wiki/Intel_Arc
- https://en.wikipedia.org/wiki/Apple_silicon
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